パソコンの事をいろいろやっていると、LANケーブル配線などは、自然と自分でやる事となるが、場所によっては、長くて困るという場面にも遭遇します。今回、LANケーブルの長さ20cm位で十分という場所があったので、思い切って自作してみました。種類は、カテゴリー5のケーブルです。
[LAN工作に必要な知識]
●ケーブルの種類
ケーブルの種類 特徴 構造 用途 同軸ケーブル 伝送用の一本の芯線(銅線など)を絶縁体で囲み、その外側をコーディングしたケーブル 外部との干渉(ノイズ)が小さい テレビのアンテナ用 ツイストペアケーブル(より対線) 2本の芯線(銅線)を1対(ペア)としてより合わせ、その外側をコーティングしたケーブル 芯線の種類 単線 1本の銅線(安価で曲げにくい、長尺向き、屋内配線) ・「より」によって誘導電流を相殺することでノイズに対して強くしたケーブル
・青、緑、オレンジ、茶の4色+その4色に白ラインの入った4本の計8本で構成
・通信で、全ての線を使うわけではなさそうです。LANケーブル より線 7本の銅線をより合せたもの(やや高価で曲げやすい、線が細いので長尺は不向き、室内とりまわし) ノイズ防止機能の有無 UTP
(Unshielded Twist Pair)シールド保護されていないケーブル STP
(Shielded Twist Pair)シールド保護されているケーブル 光ファイバーケーブル 被服の内側のケーブルは、コアという屈折率の高い中心部と、クラッドという屈折率の低い外側部分から成り、中心部のコアに入った光信号がクラッドとの境界で全反射しながら伝わっていく 銅線と比べて、ノイズが極めて少なく、高速大容量の通信が可能 長距離通信 他 ●ケーブルのカテゴリー(?)
下位互換性があるので、下位でも上位のケーブルは使える
分類 通信速度bps※5
(bit per second)適合するNIC規格 伝送帯域 カテゴリー5 100Mbps 10BASAE-T100BASE-TX100MHz カテゴリー5e
(エンハンスドカテゴリー5) ※11Gbps 10BASE-T100BASE-TX1000BASE-T100MHz カテゴリー6 ※2
以降、たぶん自作は無理?1Gbps 10BASE-T100BASE-TX1000BASE-T1000BASE-TX250MHz カテゴリー6eまたは
カテゴリー6a?
(オーグメンテッドカテゴリー6) ※310Gbps 10BASE-T100BASE-TX1000BASE-T1000BASE-TX10GBASE-T外径がcat6より太い500MHz カテゴリー7 ※4 10Gbps 10BASE-T100BASE-TX1000BASE-T1000BASE-TX10GBASE-T600MHz
※1:エンハンスド=拡張※2:ケーブル内にセパレータ(十字介在)が入っているためカテゴリー5eと比較してケーブルが太く、曲げにくい。※3:オーグメンテッド=増大※4:家庭内LANでは現段階では必要ないと言えるほどの高性能なもの※5:bps=bit per second(ビット/毎秒) 1,000=1M(メガ) 1,000M=1G(ギガ)
●主なイーサネット規格とケーブルのカテゴリ(?)
規格※ 10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 10GBASE-TX 伝送速度 10Mbps 100Mbps 1Gbps 10Gbps 最大伝送距離 100メートルまで 100メートルまで 100メートルまで 100メートルまで 使用ケーブル カテゴリ3以上 カテゴリ5以上 カテゴリ5e以上 カテゴリ6以上
※文字の意味
○10/100/1000/10G→通信速度(10Mbps,100Mbps,1000Mbps=1Gbps,10Gbps)、1G(ギガ)=1,000M(メガ)
○BASE→Baseband
○T→ケーブル種類(T→ツイストペア、,F→光ファイバー、 無し→同軸 など)
○Tの後に付く文字→数値=対線の数(2→2対4線, 4→4対8線)、X=ツイストペアケーブルの伝送方式(全二重通信(Full Duplex)のX ?)
●プラグ
種類・名称 使用目的 細分類 RJ-45 LAN 1ピース カテゴリー5、5e 一般的で整端しやすい 2ピース
(ガイド(ロードバー)付き)カテゴリー6以上 ヨリを解く部分を、なるべく短くする必要があるため、付いている RJ-11 電話線
●LAN配線の規格(10BASE 100BASE カテゴリー5のみ)LANケーブル内の8本の導線の配線順を規定したもの(ANSI/TIA/EIA-568-B)で、標準(A配線)、オプション(B配線)の2通りの結線方法が定められています。
○A-A:ほとんどおこなわれていない。ケーブル内の芯線の並び方から、平面に並べづらいようです。○B-B:ストレートケーブル(一般的な結線方法)○A-B:クロスケーブル(PC同士の接続などに使用/現在はHUBが自動あるいは切り替えSWで、B-B、A-Bを判別する)
[使用工具]
ケーブルの製作には、専用の工具が必要です。今回は、TFT JAPAN 変換名人の「LANケーブル製作セット」(カテゴリー5用)を使いました。セット内容は、圧着機(4/6/8芯対応)・皮むき工具・ケーブルテスター(9V電池使用・別売り)・LANプラグ(RJ-45 100個入り)・ケーブル5m(なぜかプラグ圧着済 写真には写ってない)です。
[ケーブルの製作]
●ケーブルをケーブルカッターとかニッパで必要な長さだけ切断します●ケーブルの皮をむきます先端から5cmくらいの所(短くてもOK?)に、皮むき工具でケーブルを挟み、2回転くらいさせて、外皮のみ切断します。普通のカッターでもいいと思いますが、面白いように切れます。こうなれば、引っ張るだけで、抜けます。●より線をほどく2本ずつの、より線をほどき、最終的に1本ずつにします。1本にしたら、より線のしわを丁寧に伸ばし、まっすぐにします。
あまり、まっすぐになってないです。
●より線を並べるストレートケーブルを作るので、通常のB配線の並びにします。すぐバラバラになるので、セロテープで仮止めしてみました。●余分な所を切る長さを12~13mm位にして、圧着機の根元や皮むき工具で、まっすぐに切るのですが、うまく切れませんでした(?)。後でやりなおしましたが、ニッパとかの使いやすいです。線の長さはこの位でないと、プラグにうまくおさまりませんでした。ちょっと先が不揃いです。●プラグに入れる順番に並べたまま、プラグに入れます。少し強く押し込んで、横から見て先端部まで入るよう、きっちり突っ込みます。●圧着するプラグを、圧着工具に止まるまで押し込んでセットし、ハンドルを握って圧着します。先端が圧着され、ケーブルの根元も押されて動かないようになります。しかし、なぜかうまく圧着できない場合もありました。ケーブルを手で支えた方がよかったのか、微妙なずれによるものかわかりません。正面から見た図です。●ケーブルテスターで、導通を確認する左:マスターユニット(親機) 右:リモートユニット(子機)マスターユニットとリモートユニットは、切り離して使うこともできます(スライドさせるとはずれる)。LAN:RJ-45どうし電話線:RJ-11どうし
RJ-11 RJ-45 RJ-45
下から見た図。親機の裏側に乾電池(006P)を入れる場所があります。
RJ-11
スイッチは、左から OFF/ON(点灯が早い)/S(点灯が遅い slow?)となっています。点灯の意味は、'ON'も'S'も同じです。ケーブルをつなぎ(親機と子機の間)、スイッチを入れると、繋がっている順に、親子同時にランプがついてゆきます。導通がない線は、ランプが点きません。だめなら、プラグの根元を切り落として、また最初からやりなおします。●ケーブルテスターの動作スイッチを入れると、親機・子機LEDが、同時に順番に点いて行きます。LEDの点灯する順番
ストレートケーブル→1-1、2-2、3-3、4-4、5-5、6-6、7-7、8-8クロスケーブル→1-3、2-6、3-1、4-4、5-5、6-2、7-7、8-8
※Gはシールドの結線。繋がっていると、点灯する(ぜひ点灯しなくてもよい)
実際に使われている線(信号が行っている線)
通常のLAN接続→プラグ左側から1,2,3,6番の4線モデム-ルータ間接続→8線すべて
[元ネタサイト]
・TFTEC JAPAN(http://www.henj.in/) 実演のビデオがあります・LAN工事ドットコム(http://lan-kouji.com/)
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